ゲーム〜2ndStage〜
「お母さんたちによろしくね」

「あぁ。たまに遊びに行ってくれよ。なんやかんや言って、孫の顔を見るのが楽しみなんだ」

「考えとく」

代夏と母親の間には未だに蟠りが残っている。

そう簡単に割り切れないことを春季さんも分かっているのだが、長男として家族の絆を繋ごうとしていた。

「頼むな」

春季さんはそれだけ言って、暴れる秋良を引きずって帰って行った。

夜闇に秋良が痛いと叫んだ声がした。

「殴られたね〜」

代夏が暢気な声で言った。

「ごめんね〜。秋良はまだこどもだから」

「そんなことないよ。きっと春季さんが鍛えてくれるよ。オレのように」

あの地獄の日々をオレは忘れない。

愚弟、グッドラック!
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