【続】冷たい彼は旦那さま


「そ?んじゃ、始めよ」


翼がふぅとひと息付いたと思った時、ぐっと抱き締める力が強くなった。


「……あぁ、なんて美しい姫なんだろう」


「お、お戯れはおやめ下さい……」


耳元で聞こえる翼の声にかぁっと熱くなる。


「いや、僕はこんな美しい人に会ったことないんだ。胸が熱くて、苦しい」


「っ」


相手が翼だからだかろうか、台詞が全然浮かんでこない。


頭の中がパニックを起こしている。

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