【続】冷たい彼は旦那さま


ゆっくり指先で撫でられている、何とも言えない擽ったい感じ。


「姫、どうか僕だけを見て下さい。あなたが僕だけを見てくれるのなら…他には何も望まないですから」


きゅーって、胸の奥が鳴った気がする。


甘く、緩く、締め付けられた感じだ。


「あ、のっ…」


「けれど、もし姫が僕を拒んで何処かへ逃げようとするなら…」


私の言葉を遮るように、翼が続ける。


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