【続】冷たい彼は旦那さま


上へと移動する腕を掴むと、いとも簡単にその腕は頭上で抑えられる。


「俺以外の姫になるなんて考えるだけで腹立つ」


翼の手が私を可笑しくする。


何も考えられない位に、脳が溶けてしまうかのように。


理性なんて、そんなものは簡単に奪われる。


全てが翼になってしまう。


「わ、私も…」


「ん?」


「翼以外の王子様は、やだっ…」


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