【続】冷たい彼は旦那さま


そう言われると笑うしかないじゃん。


「ごめん。ほんとにごめん」


さっきからそればかりしか言えない自分って……。


「もう、翼なんて知らない。道端の小石で躓いて転べばいいんだよ」


「あー…うん」


可愛いすね方だなって、思っしまった。


「誕生日だって忘れてたの知ってた。だけど、早く帰ってこれるって言われたとき凄く嬉しかった……」


「ん……」


胸が縄で縛られている様な程に苦しい。


危うく呼吸の仕方さえも忘れてしまうほどに。


「でもっ……。帰って来なくてっ…ぅ、もう嫌になってきて…ふぇっ。わがままって、わ、分かってても早く会いたいって、思って…。」

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