きみは、わたしの名前を呼んではくれない。


人が律儀に挨拶なんかしてるのに、吹き出すなんて失礼極まりない……!


と、思うのが普通なんだろうけど、
この容姿で、この仕草で。


ーーしかも、無愛想だなあ、と1年のときからなんとなく思っていたわたしにとって、そのギャップはレッドカード即退場レベルの反則技だった。



まあ、つまりは。



「……」

「どうしたの、大丈夫? おーい」




惚れた。


ハートをずきゅんと射止められた。


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