きみは、わたしの名前を呼んではくれない。


それなのにわたしってばあんな一人で盛り上がっちゃって……

コウくんもきっと困っているに違いない。



わたしは頭を抱えて、うーんと唸る。

なんたる失態……あほだわたし。



その場で考え込むこと数分。


わたしの悪口が盛り上がったクラスメイトたちは、とっくに外に出て行ったみたいだった。



「はあ……」


……もう、腹括るしか。



ちゃんと謝ろう。
迷惑だったよねごめんねって。


うん、そうしよう。

ああ、夢のような一時だった……。





「ごめんね、コウくん迷惑だったよね」



これで最後にしようと決めたふたりきりの帰り道。


そう言って頭を下げたわたしに、彼はきょとんとした。

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