きみは、わたしの名前を呼んではくれない。
× 気づいてくれていましたか
だけどだ。 だけどもだ。
幸せすぎてこれこそ夢なんじゃないかと思い家族にほっぺた引っ張ってとお願いしたらついにドン引きどころかガン無視された、あの日から二ヶ月がたつ今。
コウくんと恋人同士というすごくすごく幸せな毎日を送っているわたしだけれど、最近わたしはまた、「わたしって本当にコウくんと付き合えているの?」という疑問を抱いている。
なんでかって?
それはすごく小さな、だけどわたしにとってはとても大きな理由。
ーー彼は絶対に、わたしの名前を呼んではくれない。
「ねえ、」
ほら、今もこうやって肩をつついてわたしを呼んで。
今までに一度だってわたしの名前を呼んでくれたことはない。