きみは、わたしの名前を呼んではくれない。
わたしって本当に、コウくんの彼女なのかな。
実は可哀想になって思わずオッケーしちゃったとか、それともやっぱり面白半分でオッケーしただけとか……。
最近、そんな嫌な考えばっかりが、頭の中でぐるぐるしてる。
「……ということなんだけどどう思う、わたしの可愛い弟くん!」
「あっくそ、うるせっ……ああーーっ! ねえちゃんのせいで負けたじゃん!」
「そろそろゲームやめなよ中3だよあんた」
「うっせえ、ぼけ。学校ではゲーマーなの隠してかっこよく生きてるわ、俺の努力なめんなよ」
「いやそこじゃない受験は」
こんな弟に聞いたねえちゃんが馬鹿だったのね。
いいよもう、部屋に閉じこもってやる。
ああ、昔はあんなに可愛かったのに。