きみは、わたしの名前を呼んではくれない。
まあ、変人にしろなんにしろ。
とにもかくにも、そこにはとっても綺麗な顔立ちをした美少年がいたのだから。
美人だなって、そのときはじめて男の人にたいしてそんなことを思った。
けれど、クラスが違っていたわたしたちは1年のときはまったく関わりなんてなくて。
むしろわたしは、あんなすごい人とは卒業するまで一切関わらないだろうなあと思っていた。
だけど高校初のクラス替え。
(あ、新入生代表ボイコットした人だ)
わたしの名前の真下に書かれた彼の名前を見つけた。
衝撃的すぎる入学式での出来事や、美少年という言葉がぴったりの容姿、それから入学以来ずっと成績が学年首位というすごい噂。
そんな彼は当然、かなりの有名人で、わたしももちろんその名前を覚えていた。