最高の誕生日
「よかった…断られたらどうしようかと思ってた。」
「断らないに決まってるよ。」
「正直、香子から電話であんなこと言われた時、すげぇ焦ったんだからな?…もう今日プロポーズしようって決めてたし。」
「…うん。ごめんね。」
「あと、それ。箱の裏見てみて。」
「裏?」
そう言われて、箱を裏返す。
「…もうっ。何回私を泣かせれば気がすむの…っ‼︎」
そう言ってまたポロポロこぼれる涙。
箱の裏にはーーー
ーーー『香子。ハッピーバースデー。』
って書いてあった。
そう。今日は私の誕生日。
人生最高の誕生日になるはずだった。
けれど、昼間あんなことがあって、最悪の誕生日に変わった。
なのに…。