最高の誕生日
ただ、手を差し出す時に、それはもう緊張して心臓がバクバクということは秘密だけど。
「ふふ。」
笑いながら、いつもより少しだけ頬を染めて手を繋いでくれる香子。
そんな彼女の姿にまた愛おしく思ってしまう。
「今日はどこに行くの?」
歩き出して数分後、そう聞いてきた香子。
「んー、適当に店とか見る?」
「うん!」
そうやって嬉しそうに笑う顔。
それも反則だと思う。
「あ、これかわいい。」
「どれ?」
「これ…。なんか珍しいね?朔が買い物に興味持つなんて。」
「…まぁ、たまにはね。」
(…本当は目的があるからなんだけど。)