最高の誕生日




来週は香子の誕生日。





だから今日は、何をプレゼントするか決めるために偵察?をしに来た。





「…それが欲しいの?」







「んー…。でもまだいいのありそうだしなー…。」







(女ってやっぱり決めるのに時間かかるな。)








これが女の特徴だと思う。







異常に買い物が長い。







けど、それでも香子と一緒なら楽しく感じる。







「あ…。」







不意に香子の足が止まった。







香子の視線を追うと、そこにあったのはジュエリーショップ。







そのウィンドーに飾られてる指輪に釘付けの香子。







(…指輪か。)







実を言うと、今年の誕生日はプロポーズしようかと思っていた。







けど、下手すぎるし、そんなことして引かれたら嫌だったから迷っていた。







「…いいなぁ。」







それでも、香子のキラキラした目を見ると、不安が消えていく。







(香子と一緒にいたい…。)








彼女とずっと一緒に過ごせたら、俺にとってそんなに幸せなことはない。







(やっぱりしようか、プロポーズ。)







心の中でそう決めて、彼女を見つめる。







(香子、来週必ずお前に似合う指輪をプレゼントするから、今は我慢してくれ。)







心の中で彼女に告げて、ギュッと手に力を込める。







すると、それに気づいた香子が顔を上げた。






「あ、ごめんね。行こうか?」







「あぁ…。」







笑顔で歩き出す愛しい彼女をこの手に手に入れるまでーーー







ーーー残り一週間。



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