俺の存在理由を揺さぶるお前【短編】
存在理由


月が一番空高くあがった深夜



開いたままの窓から夜風が吹き込みカーテンがユラユラと揺れる


「……‥‥リリアム、」


真っ白のワンピースを着た女は、月の光を背に立つ“リリアム”と言われる男に一歩一歩近づく



ドクン、ドクン、と血液の脈打つ音が、女が近づくにつれて濃く、うるさいほどに鮮明に聞こえる





男は目を閉じたまま深く息を吸い込み次の瞬間、目を開くと男の目は真っ赤になった

< 1 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop