俺の存在理由を揺さぶるお前【短編】
ギュゥ
「リリアム……‥‥‥‥愛してるわ」
背中にまわす両手を強くしめて、男には無縁の言葉を、軽々といった
男はピクリと首の動きを止める
「……‥‥‥ふっ、お前は俺の存在理由を揺さぶるな」
フワッと女から香る優しいフローラルの香りに我を取り戻して、女の腰を引き寄せた
「キャッ」
「人間の女は、か弱くて血とは別の良い香りがする……‥」
男は髪を指に絡めて軽く口づけをした
「お前のその肌や服に血の色は似合わない…」
髪を手からおとすと、男は女の頬に冷たい手を添える
「ほら、愛を確認しようか」
男と女は深い深い口づけをしたーーーー。