俺の存在理由を揺さぶるお前【短編】


ギュゥ

「リリアム……‥‥‥‥愛してるわ」


背中にまわす両手を強くしめて、男には無縁の言葉を、軽々といった


男はピクリと首の動きを止める


「……‥‥‥ふっ、お前は俺の存在理由を揺さぶるな」


フワッと女から香る優しいフローラルの香りに我を取り戻して、女の腰を引き寄せた



「キャッ」

「人間の女は、か弱くて血とは別の良い香りがする……‥」


男は髪を指に絡めて軽く口づけをした


「お前のその肌や服に血の色は似合わない…」


髪を手からおとすと、男は女の頬に冷たい手を添える


「ほら、愛を確認しようか」




男と女は深い深い口づけをしたーーーー。

< 3 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop