能力家兄妹!
*PART 1
常識は通用しない
*2127年 4月 6日*
タッタッタッタ……
騒つく人並みの中、5センチほどの小さなヒールをかけて行く。
(はやくしないと!!遅れちゃう!!)
時計を何度も見ながら少女は街の中をかけて行く。
商店街。たくさんの人もいて少女は何度も人にぶつかる。
(あぁーもう!こんなんじゃ本当に、待たせちゃうよ!)
少女はついに膝に手をついた。
ハァハァと息をするのも辛いくらい走ってしまった。
なぜ、車などを使わないのだろうか。それはただ単に少女にお金というものがないだけ。
時計はすでに9時45分をさしている。
(やっぱ、もうだめだー45分も遅刻してる!!やっぱり、バスに乗って1時間、そこで財布を家に忘れてたって、こんなドジで馬鹿、他にどこにいんのよ!)
「もおおおおーーーーっっ!!!」
少女は喘いで思いっきり床を蹴飛ばした。
周りの人が見てるけど、そんなの気にせずに涙が出てくる。