できちゃった結婚です!


分かってはいるんだけどね。


それから新の言うとおり、本当に仕事が忙しいみたいで。

毎日毎日、それこそ休みも返上して仕事に行っている。

夜は私が寝た後に帰ってきて
朝は私が起きるころには既に玄関で靴を履いている。


もっと早く起きたりしたいんだけど、どうも妊娠してから
体が重くてなかなか早くに起きることができない。

申し訳ない気持ちになりながらもどこかで新に甘えてしまっていたんだと思う。


気がつけば新に会わない日が3日も続いてしまっていた。




“非常事態には愁子”

という言葉がすぐに思いついてしまった私は
お仕事中、邪魔だとは思ったけれど前の職場まで足を運んでしまっていた。

繁忙期も無事に終えた売り場はお客さんは少なく、事務作業が進みそうな
感じだ。

もうすぐ休憩時間に入るそうなのでそれまで本屋さんで時間をつぶして、
よくランチで利用していたカフェに入った。


「で?毎回ピンチの度に会いに来てくれる杏ちゃん?
今回はどうしたのかしら?」

さすがは私の元同期。

私が会いに来た理由をよく分かっていらっしゃる。

時間がないので簡潔に理由を伝えると愁子は大きく息を吐いた。


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