大切なものはつくらないって言っていたくせに
「おまえと遥ちゃんは付き合ってたんだろ?」

祐樹は、目を伏せて首を横に降る。

「嘘つけ。どう見たってそういう関係だろ。」

「ずっと、俺の片想い。一晩だけ。一緒に過ごしたけど。」

「それで、もう諦めようかとも思った。」

祐樹は遠い目をしてから、自嘲気味に苦笑いする。

「でも、忘れられなかった。 」

「………………。」
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