大切なものはつくらないって言っていたくせに
俺は、いつもの決まったバーカウンターの席で、スコッチを頼む。
ここのバーテンダーは、無口なので好きだ。
まあ、たまに遥と隣り合わせの時も日本語でしか話さないから、言葉もあまり通じないと思っているのかもしれない。
それでも、いつも、俺の頼むものをスッと絶妙なタイミングで出してくれたり、おかわりを身振り手振りで伺ってくれたりする。
次、ここに来れるのはいつだろう。 遥の顔が見れるのはいつだろう。
ここに来る前に、俺はマネージャーからの仕事のオファーの打診を受けていた。
「祐樹がやるかやらないかは、決めてくれていい。」
「・・・・・・。」
「監督は、ぜひ祐樹でやりたいと言ってくれてはいるけどな。 かなり精神的にも体力的にもハードだから、今のスケジュールだとかなりきついけど。 それに、受けたら今後二年くらいはそれに縛られることになるだろう。」
「・・・・やるよ。 その仕事、受けるよ。」
「大丈夫か?」
「ああ。いつから?」
「年明けから準備に入る。まずは日本で冬山の訓練を三か月。その後、海外に飛ぶ。」
「オッケー。わかったよ。」
「お前、今どこ?」
「空港。」
「ロンドン入りは、二日後だぞ。また寄り道か?」
「まあね。じゃ、詳細はまたメール送っておいて。」
ここのバーテンダーは、無口なので好きだ。
まあ、たまに遥と隣り合わせの時も日本語でしか話さないから、言葉もあまり通じないと思っているのかもしれない。
それでも、いつも、俺の頼むものをスッと絶妙なタイミングで出してくれたり、おかわりを身振り手振りで伺ってくれたりする。
次、ここに来れるのはいつだろう。 遥の顔が見れるのはいつだろう。
ここに来る前に、俺はマネージャーからの仕事のオファーの打診を受けていた。
「祐樹がやるかやらないかは、決めてくれていい。」
「・・・・・・。」
「監督は、ぜひ祐樹でやりたいと言ってくれてはいるけどな。 かなり精神的にも体力的にもハードだから、今のスケジュールだとかなりきついけど。 それに、受けたら今後二年くらいはそれに縛られることになるだろう。」
「・・・・やるよ。 その仕事、受けるよ。」
「大丈夫か?」
「ああ。いつから?」
「年明けから準備に入る。まずは日本で冬山の訓練を三か月。その後、海外に飛ぶ。」
「オッケー。わかったよ。」
「お前、今どこ?」
「空港。」
「ロンドン入りは、二日後だぞ。また寄り道か?」
「まあね。じゃ、詳細はまたメール送っておいて。」