大切なものはつくらないって言っていたくせに
「遥の家を突き止めたよ。」
「え?」
俺は、祐樹のその横顔を見やる。
「お前も知っているんじゃないのか?だから、龍二はこの問題は俺が一人で解決するべきだって言った。」
祐樹は、俺の目をまっすぐ見て言う。
俺は、目をそらして言う。
「なにを?」
「遥には小さな子どもがいる。」
「、、、、、。」
「、、、、、、。」

祐樹はしばらく黙ったまま、ビールを飲み、お通しを箸でつつく。

「で、遥ちゃんと直接対決したの?」
「いや、、、家に行っただけ。 アパートの前に、砂場で遊ぶバケツとかシャベルを見たし、ベランダに小さな服が干してあるのを見た。。」
祐樹は、案外淡々とした表情で話す。
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