この恋、成就率30%
「悠馬、寝てたんじゃなかったんだ」
雑誌から顔をあげ、えみが声をかける
悠馬の席は私の隣、
つまり窓際の一番後ろという絶好の席で
さっきまで昼寝してた…はず
「いやぁー、どっかの幼馴染が
恋愛成功率?30パーセントっていう
なんとも笑える…じゃなくて
ふびんな話が聞こえてきてさぁー」
ケタケタと愉快そうに笑いながら
手をひらひらさせている
…やっぱし 殴っていいかなぁ、こいつ…!!!
「だからって、ふざけた心の代弁すんなっ!」
「あれ? 的得てたろ?」
「どっこが!」
「おー、怖っ
心優しい幼馴染が慰めてあげようと思って…」
「あんたの慰めなんかいらん!!」
いつも通りの言い争いをしていると
えみの制止の声がかかった
「あー、ハイハイ
痴話げんかしないの」
「「痴話、ゆーな!!」」
あ、勢いそのままに
悠馬とハモった…