この恋、成就率30%
ふぅ…
授業準備も整い、あとは先生がくるのを待つだけ
えみは雑誌のファッションページをチェックしてるし、
竜は周りの席の男子たちとしゃべってる…
予習に励んでる子もいるけど、
生憎、わたしは勉強が嫌いっていうか、得意じゃないっていうか、苦手っていうか…
「おい、葉月」
ぼーっとしてると、悠馬に声をかけられた
「何、悠馬?」
「お前、さっきの心理テストで駆け引きがどうこう言ってたよな?」
「うん、まぁ…あたしに足りないのはテクニックだ…って」
「おれ、すげーいい作戦思いついたんだけど!」
…危険だ、こいつの『すげーいい』は
すげーよくないことの方が多いくらいだ
「あ、うん。ありがと
聞かなかったことにするね」
「おいおい、待て待て
…いいのか? 一生幼馴染のままで」
う…っ
そーいや、さっき
あやかれるものになら何でも泣きつきたい
みたいなこと思ったしなぁ…
「まぁ、聞くくらいなら…」
「よし、この作戦なら絶対イケるぞ!」
「はいはい、で、どんなの?」
思えば、すべての元凶は
この『作戦』だったんだ…