この恋、成就率30%
「あのね…実は、」
竜、すごく真剣な目してる
うぅ、ウソではないけど
少し竜を騙そうとしているんだと思うと心苦しい
だけど…
「わたし、すごく好きなひとがいるんだ」
とりあえず、そう告げてから
ちら、と竜の様子をうかがう
すると、竜はぽかーんとした顔をしていた
まさに、開いた口がふさがらないっていうのかな、
こんな竜の表情、貴重だな
そんなこと思いながら、話を続ける
「でも、全然相手にされてなくて…
竜、わたしどうすればいいと思う?」
竜の答えが返ってくるのを待っていると
「…んなの、…れに………なよ」
「え、竜、何か言った?」
うつむき加減で何かつぶやいたみたいだけど
聞き取ることができなかった
「…っ、なんでも、ねぇよ」
次に聞こえたのは、
どこか苦しそうな、切ないような竜の声だった