この恋、成就率30%



二人とも飲み終えて、カフェを出た






「じゃ、帰ろうか!」



なんとか、いつもの明るい声を出せたと思う



「そうだな」






…いつもと違って、何を話すわけでもなく


ただ二人で並んで歩き始めた













…駅って、こんなに遠かったっけ


と思うほど長い道のりを歩いてきたように感じた





ちょうど電車がきて、


いいタイミングだったねなんて話しながら乗り込んで、

ドア付近に二人で立っていた



学校のある駅からうちまで、そんなに時間はかからない



ずっとドアの窓から景色を見てたけど、

ちらっと竜を盗み見ようと視線を向けると、


竜も顔は窓の方を向いてたけど、目だけはわたしの方を見ていた




必然的にばちっと目があうと、

竜はびっくりしたように、一回目を見開いたあと

すぐに目をそらした



その顔が、少しあからんで見えて、


今日の5時間目のわたしと重なった


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