後にも先にも先輩だけ
その日の放課後、さっそくわたしは行動することにした。
春歌は用事があると言って先に帰ってしまった。
1人はだいぶ心細いが仕方ない。
緊張しながら先輩のクラスに向かう。
先輩のクラスを見つけ外から覗いてみる。
あっ、先輩発見!
先輩は友達と話していた。
さすがに先輩のクラスにズカズカ入る勇気までは出ず、近くにいた先輩に声をかけ木村先輩を呼んでもらえるか頼んだ。
するとその先輩は快く引き受けてくれた。
「智哉〜1年の女の子来てるよ~。」
智哉って呼んでるんだ……
先輩ってあんなにかっこいいからやっぱりモテるよね…
そう考えると少しだけ胸がチクッてなった。
「あれ、どうした?」
モヤモヤしているうちに先輩が来てくれて。
「あっ、えと、ちょっといいですか?」
「うん。」
出入り口じゃ話せないから邪魔にならない廊下の隅まで来てもらった。
緊張で心臓バクバクだけど…ここまできたら言うしかない!
「あ、あの!」
「ん?」
首を傾けるしぐさも可愛い…///
じゃなくて!!
「あと1ヶ月で夏休みですよね…」
「あぁ、そうだね。」
「あああのっ!先輩は、夏休み予定とかいっぱい…入っちゃってますか…?」