後にも先にも先輩だけ
緊張から顔が俯いていた。
先輩は一瞬目を見開いて考え始めた。
「……美喜ちゃん。美喜ちゃんはさ、花火大会誰かと約束してる?」
「……へ?」
花火大会?なんで花火大会?
「いえ、まだしてませんけど…」
「じゃあさ、いっしょに行く?」
………………………え?
『じゃあさ、いっしょに行く?』
え、え、え、えーーーーー!!!
「いいいっしょにって花火大会にですか!?」
「うん。あれ、嫌?」
「い嫌だなんてそんな!めめ滅相もございません!!」
「はは、よかった。」
と笑ってくれた。
「だったら連絡先交換しない?」
連絡先!?!?
まさかの先輩から言ってくれた!!
「し、したいです!!」
「じゃあはい、交換。」
と慣れた手つきで操作してくれた。
ど、ど、とうしよう!
ほんとに連絡先ゲットしちゃった!
「また詳しいことは連絡するから。またね。」
先輩は教室に帰っていった。
いまだに放心状態のわたしはこの出来事が嬉しすぎてどうやって帰ったのか覚えていないのであった。