鬼部長と偽装恋愛はじめました
プロポーズをされたわけでもないのに、心配するには早い……?

でも、祐平は真剣に付き合ってくれているし、私もそう。

だから、いずれは“結婚”の話が出るかもしれない。

そのとき、母が言っていた海外赴任の問題が出るってことなんだ。

私は、結婚をしても仕事を続けたいと思っていたし、だからこそ母にウソまでついたのに……。

「香奈美、どうだった? お母さん、許してくれたか?」

祐平が部屋に入ってきて、ハッと我に返る。

「うん。むしろ、祐平に迷惑をかけたって謝ってた」

「ハハハ。そんなことはないよ。むしろ、結果的には有り難かったけど」

祐平も安心したのか、いつになく機嫌がいい。

そして、お決まりのように私にキスをする。

付き合ったばかりで、浮かれていたのかもしれない。

私は、祐平と仕事のどちらかを取らないといけないの?
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