鬼部長と偽装恋愛はじめました
それをこの一年、ずっと考えて出した答えだ。
仕事をしたい気持ちは、今も変わらないけど、祐平を好きな気持ちはもっと大きい。
彼がいるから仕事を頑張れてこれたんだと、改めて知ったから。
「香奈美なら、どんな環境でも頑張れるよ。オレが必ず支える」
「ありがとう、祐平。祐平がいてくれるなら、私はいつだって頑張れるから」
どちらともなく唇を重ねると、私たちは初夜の甘い時間を過ごした。
次の日には仕事だけど、祐平の奥さんであるということが、私の自信のひとつになっていて、憂鬱さはまるでない。
そして翌朝、私たちは夢の余韻が覚めなきらないまま、会社へと向かった。
「本城……じゃない、若狭さん。これ、一緒に持っていってくれませんか?」
と声をかけてきたのは、この春入社の新人、蒲田くんだ。
ベビーフェイスの可愛らしい男の子で、私が教育担当になっている。
「営業部に持っていく資料? あれ、これって……」
「はい……。若狭部長に持っていくんスけど、オレまだ苦手で……」
蒲田くんはそう言いながら、気まずそうに私を見た。
彼は、祐平の放つ怒号が苦手なタイプで、営業部に行くとビクビクしている。
仕事をしたい気持ちは、今も変わらないけど、祐平を好きな気持ちはもっと大きい。
彼がいるから仕事を頑張れてこれたんだと、改めて知ったから。
「香奈美なら、どんな環境でも頑張れるよ。オレが必ず支える」
「ありがとう、祐平。祐平がいてくれるなら、私はいつだって頑張れるから」
どちらともなく唇を重ねると、私たちは初夜の甘い時間を過ごした。
次の日には仕事だけど、祐平の奥さんであるということが、私の自信のひとつになっていて、憂鬱さはまるでない。
そして翌朝、私たちは夢の余韻が覚めなきらないまま、会社へと向かった。
「本城……じゃない、若狭さん。これ、一緒に持っていってくれませんか?」
と声をかけてきたのは、この春入社の新人、蒲田くんだ。
ベビーフェイスの可愛らしい男の子で、私が教育担当になっている。
「営業部に持っていく資料? あれ、これって……」
「はい……。若狭部長に持っていくんスけど、オレまだ苦手で……」
蒲田くんはそう言いながら、気まずそうに私を見た。
彼は、祐平の放つ怒号が苦手なタイプで、営業部に行くとビクビクしている。