鬼部長と偽装恋愛はじめました
真っ直ぐ部長を見据え、深々と頭を下げた。
「部長、本当にありがとうございました。それと、不本意なことまで言わせてしまい、申し訳ありませんでした。もし、母や佐原さんに疑われたら……」
「疑われたら?」
「部長とのことは、ウソだったと正直に話します。そのうえで、どうしても帰りたくないと説得します」
自信はないけど、自分の問題に部長を巻き添えにしたことを、今さらながら後悔する。
「できるのか? お前のお母さん、相当本気な感じだったけど」
「頑張ります。部長には、これ以上の迷惑はかけられません。それに、初めて仕事ぶりを評価してもらえて嬉しかったし、あの言葉は母に効いたみたいなので」
こっちで地に足をつけて頑張れている、それを分かってもらえれば、きっと理解してもらえるはずだ。
部長に小さな笑みをみせると、呆れた顔をされた。
「ったく、そこまで本社勤務を頑張りたいっていう意気込みは評価するけど」
「ですよね! だから、これからも頑張ります。部長、よろしくお願いします」
気合を入れる私を、部長はやれやれといった顔で見る。
鬼のような怒号は、やっぱり慣れそうにないけど、今日私のために部長が使ってくれた時間と気持ちは心底感謝する。
そう思ったら、今までよりは少しだけ、距離を近くに感じた。
本当に、少しだけだけど……。
「部長、本当にありがとうございました。それと、不本意なことまで言わせてしまい、申し訳ありませんでした。もし、母や佐原さんに疑われたら……」
「疑われたら?」
「部長とのことは、ウソだったと正直に話します。そのうえで、どうしても帰りたくないと説得します」
自信はないけど、自分の問題に部長を巻き添えにしたことを、今さらながら後悔する。
「できるのか? お前のお母さん、相当本気な感じだったけど」
「頑張ります。部長には、これ以上の迷惑はかけられません。それに、初めて仕事ぶりを評価してもらえて嬉しかったし、あの言葉は母に効いたみたいなので」
こっちで地に足をつけて頑張れている、それを分かってもらえれば、きっと理解してもらえるはずだ。
部長に小さな笑みをみせると、呆れた顔をされた。
「ったく、そこまで本社勤務を頑張りたいっていう意気込みは評価するけど」
「ですよね! だから、これからも頑張ります。部長、よろしくお願いします」
気合を入れる私を、部長はやれやれといった顔で見る。
鬼のような怒号は、やっぱり慣れそうにないけど、今日私のために部長が使ってくれた時間と気持ちは心底感謝する。
そう思ったら、今までよりは少しだけ、距離を近くに感じた。
本当に、少しだけだけど……。