鬼部長と偽装恋愛はじめました
ヤキモチが私たちを盛り上げます
「本城、この企画書、頼んでたのとずいぶん違うじゃないか」
“部長”の顔の祐平は、相変わらず威圧感たっぷりに、私にUSBメモリを突き返した。
「すみません。そんなに違ってましたか? 私は、部長の指示通りに作りましたが……」
昨夜の祐平は別人かと思うくらい、目の前にいる人はいつもの鬼部長だ。
今朝も起きたら、挨拶もそこそこに、さっさと食べて出勤していたし。
昨夜のキスも優しい感じも、アルコールのせいだったのかな……。
「オレが指示したのは、プレゼンの印象に残る企画書だ。一辺倒な字体と写真の掲載じゃなあ……」
「一辺倒な字体……」
普段なら、もっと説明してくださいと食いつくところだけど、昨夜の祐平の言葉を思い出す。
私に、どうやったら伝わるんだろうって考えていると……。
そっか、祐平はきっとこの企画書の印象が薄いと、言いたいのかもしれない。
プレゼンをしたとき、この内容はどれだけ相手に響くか……。
「分かりました。もう一度作り直します」
そう言うと、祐平は表情ひとつ変えずに、パソコンに向き直った。
“部長”の顔の祐平は、相変わらず威圧感たっぷりに、私にUSBメモリを突き返した。
「すみません。そんなに違ってましたか? 私は、部長の指示通りに作りましたが……」
昨夜の祐平は別人かと思うくらい、目の前にいる人はいつもの鬼部長だ。
今朝も起きたら、挨拶もそこそこに、さっさと食べて出勤していたし。
昨夜のキスも優しい感じも、アルコールのせいだったのかな……。
「オレが指示したのは、プレゼンの印象に残る企画書だ。一辺倒な字体と写真の掲載じゃなあ……」
「一辺倒な字体……」
普段なら、もっと説明してくださいと食いつくところだけど、昨夜の祐平の言葉を思い出す。
私に、どうやったら伝わるんだろうって考えていると……。
そっか、祐平はきっとこの企画書の印象が薄いと、言いたいのかもしれない。
プレゼンをしたとき、この内容はどれだけ相手に響くか……。
「分かりました。もう一度作り直します」
そう言うと、祐平は表情ひとつ変えずに、パソコンに向き直った。