鬼部長と偽装恋愛はじめました
……なんだか、気持ちがいい。

誰かが、頭を撫でてる。

そして、唇をなぞってる……?

「あ……、祐平」

目を開けると、祐平が笑みを浮かべて私を見ていた。

もう朝なんだ……。

「おはよ、香奈美」

「おはよう、祐平」

目を開けると好きな人がいるって、本当に幸せだとつくづく思う。

頭を撫でてくれたのも、唇をなぞっていたのも、祐平だったんだ。

「よく寝てたな香奈美。もう八時だよ」

「本当? ぐっすり寝てたみたい。祐平は早起きだね。昨日、遅かったんでしょ?」

何時に帰ってきたかも分からないくらいに、熟睡してたみたい。

祐平は私の頬を撫でながら、愛おしそうに見ている。

そんな彼に応えるように、私も祐平の手に自分の手を重ねた。

「ああ、明け方帰ったから。でも、香奈美の寝顔見てたら癒されたよ」

祐平はそう言ったあと、キスをした。
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