鬼部長と偽装恋愛はじめました
深く熱いキスを交わしながら、祐平は優しく私の体を撫でていく。

服の下から手が這ってきて甘い声が漏れたときら、祐平が少し呼吸を乱しながら言った。

「昨日、和樹と会ったんだろ?」

「え……? なんで知ってるの?」

祐平より呼吸が荒い私は、ドキッとしながら祐平を見る。

佐原さんが、わざわざ連絡するとも思えないし……。

「藤中から聞いた。昼間に、和樹と出くわしたんだろ?」

「真由から⁉︎ な、なんで……」

すっかり我に返った私は、ベッドへ起き上がる。

「お前、オレと付き合ってることを、藤中に話したろ? それで気にして教えてくれたらしいよ。昨日の夜、会社でこっそり話してくれた」

「そうだったんだ……。ごめんね、勝手に話して」

だから昨日、真由がなかなか帰らなかったわけだ。

真由には、お見合いのことから全部話していたし、きっと心配させてしまったに違いない。
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