鬼部長と偽装恋愛はじめました
「話したことは、構わないよ。むしろ、嬉しいし。ただ、和樹に会うなら会うで、せめてメールでも報告してくれたら良かったな」

「うん。それもごめん。仕事の邪魔になるかなって思ったから。でも、佐原さんには事実を話して謝っただけなの。私が好きなのは、祐平だけだから……」

そっと祐平の胸に、体を預ける。

温かくて逞しい祐平の胸に手を触れると、彼がその手を握った。

「オレも、香奈美が好きだ。藤中から聞いたとき、お前のことは信じてたけど、かなり嫉妬した」

祐平は、口角を上げて微笑みながら続ける。

「田中のときも思ったけど、オレ、かなり独占欲が強いタイプかも。香奈美が他の男と親しくするのが、イヤで仕方ない」

それは私も一緒……と言おうとして、唇を塞がれた。

「んん……」

息もできないくらいのキスをされ、ゆっくりと押し倒される。

首筋に、胸に、腕に……キスの雨を降らせた祐平は、優しく私の服を脱がせた。
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