新撰組綺談~悠月ナ草~
「んあー!!よく寝た!!」
千秋が目を覚ましたのは昼過ぎくらいのことだった。
「あれ…?あたし、ちゃんと布団で寝てる…」
確かに私は沖田の下敷きになっていたはずだ。
…もしかして、沖田さんが運んで寝かせてくれたのかな?
(…いや、ないない!だってあの意地悪な沖田さんだよ!!)
千秋は自分の甘い考えをおどおどしながら否定する。
「絶対、次あったら下敷きにした事あやまってもらおっ!」
千秋は固く決心する。
囲炉裏に火を灯し、少しあったまりつつ緑茶を飲む。
「ふぅ…まずはお腹すいたし、男装して食堂に行こう」
少し落ち着いた千秋は
慣れた手つきで男装し、屯所の食堂に向かった。