新撰組綺談~悠月ナ草~
沖田と、齋藤は
帯刀していた刀をたたみに置いた。
「私の両親は……私が、いらないんです
親代わりに育ててくれたおじいちゃんも、昨年ガンでなくなってしまって
そして、昨晩、母と父は私をどちらに引き取るか、審議していました」
「……」
真剣に、二人はこちらを見る
「私はいらない存在だと思い、
近くの神社まで走って行って、ふとその神社の雑木林をみると赤く光る草があって、
おじいちゃんが昔話してくれた赤く光る、“食べたら死ぬ悠月ナ草”だと思い、
死ぬならおじいちゃんの思い出がある死に方をしたい…と思い、その悠月ナ草を食べたら…」
「この時代にタイムスリップしていた、と。」
沖田が、千秋が言い終わらないうちに
結論を言った。