新撰組綺談~悠月ナ草~
「千秋、ここで住め」
そういう齋藤。
「でもさ、千秋ちゃん、死にたいっていいましたよね?
俺が斬ってあげましょうか?」
そういう沖田。
だが、沖田のその言葉に、千秋は苛立った。
(……人の気持ちも知らないで、そんなひどいこと!!!!)
千秋は悔しかった。
簡単に斬るとか、言ってくれるなんて。
――――――こうなったら、屯所に居座って、沖田さんにギャフンと言わせてやる!
「沖田さん、私、ここでお世話になりますよ。
斉藤さん、よろしくお願いしますね」
(どんなもんだ!)
齋藤は、よろしく、と言った。
だが沖田は、苦虫を噛み潰したそうな顔をしていた。
今日初めて、
沖田の嫌がる顔が見えた千秋は
満足そうに笑った。