新撰組綺談~悠月ナ草~



もじもじして,なかなか千秋をここに住まわすかという本題に入らない近藤に斎藤はしびれを切らしたようだ。



「近藤さん、ちゃんとしてください」


斎藤にたしなめられる近藤。




「あ、あぁ…すまない、一。」




「近藤さん…本題に行ってください。
千秋を屯所に住まわす話です」

斎藤はまたも、キセルで紫煙をくゆらせる。



「そ、そうだな…

…えっと、千秋さん。ここは新選組屯所。男ばっかでむさくるしい場所だ。
だが、死にたいという女性を俺は放ってはおけない。このまま帰すと、身投げでもしそうだからな。
ここはたくさんの人間がいる。
それに、きっと、千秋さんの住んでいた時代とは違うことがあったり、

様々な人と出会えるだろう。

だから…――――ここで様々なことを感じて、何か生きる意味を、探してみないか」







近藤は、今度は
恥ずかしがらずに真っ直ぐ千秋の方を見た。


























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