新撰組綺談~悠月ナ草~
「近藤さん――――……」
人に、居場所を提案されるなんて。
千秋は素直に嬉しかった。
現代にいた頃は、
友達ともあまりうまくいかず
学校でも休み時間一人で
どこにも居場所は無かった
家に帰っても
両親との喧嘩の声を聞きながら
自室にこもる日々。
誰にも手を差しのべられなかった
そんな孤独な日々に千秋は慣れてしまっていた
なのに、なんで……
なんで、ここの人達は
こんなにも私に優しくてくれるの……?
なんで……
「近藤さん…斎藤さんも
なぜここまで見ず知らずの私に優しくしていただけるのでしょうか」