新撰組綺談~悠月ナ草~
「こんなにも立派な部屋、私が使ってもいいんですか?」
近藤をジッと見つめる。
すると、耳を赤くしてぱっと千秋から視線を外した。
(あ、そっか…女の人苦手だったよね、近藤さん)
「千秋、少しすれば近藤さんもなれるから、悪いな。」
齋藤がフォローする。
そんな二人を見ていると、斎藤が近藤を支える夫婦のように見えてくる。
(なんだかほほえましいなぁ)
「ふふふっ」
「千秋,何わらってるんだ」
「あ、いえ…近藤さんと斉藤さんって本当に信頼し合っているんですね」
「あはは!まあな!」
近藤は大きく笑い、斎藤の肩を組む。
「近藤さん…」
斎藤はやれやれといったように苦笑いする。
(信頼し合う、という言葉は私の中では遠い言葉だけど、こういうように信頼できる人ができたらいいなあ)