新撰組綺談~悠月ナ草~



そして、千秋の新しい和室部屋で少しの間しゃべっていると





「あー、寒い」

と言いながら、突然、沖田がこの和室部屋に入ってきた。

沖田は部屋を一周ぐるりと見たあと、

千秋と近藤と齋藤の三人がこの部屋にいることをとっても驚いているようだった。
だがすぐにいつも通りのポーカーフェイスへと戻る。

「総司もここであったまるか?俺のとなりに来い。」


近藤さんは隣に来るよう、手招きした。


…が、沖田はこの状況にあまりついていけていないみたいだった。


「あー、近藤さん?
なぜこの人がこの部屋にいるんですか?」

「千秋さんはこの部屋を今日から使うこととなった。総司は千秋さんの隣の部屋なんだから、よろしくやってやれよ」

「ええぇっ!?ここ、沖田さんの部屋の隣なんですか!?」

(この失礼な男の隣………)


「千秋ちゃん、今の言葉何ですか?嫌なんですか?斬りますけど?」

沖田はにっこり笑って抜刀しかける。
そんな沖田を斎藤と近藤はあわてて制止する。



「総司。千秋さんと仲良くやってくれ」


近藤に沖田はたしなめられると、沖田は刀を鞘(さや)にしまった。

どうやら本当に近藤には優しく、弱い様子だった。









< 43 / 131 >

この作品をシェア

pagetop