新撰組綺談~悠月ナ草~
千秋はあまりに驚きすぎて、飲んでいたお茶を吹き出した。
「ち、千秋さん、大丈夫か!?」
近藤は背中をトントンと叩いてくれる。
「だ、男装ですか…」
「そうなんだ…やはりここは新撰組屯所。男ばかりだからな、千秋さんが女だと分かったら不届き者が出てくるかもしれぬ。」
近藤の言うことは、一理ある。
屯所全体を見ても女性は一人もいなかった。
「巡察や、新撰組組員と京の町を行くときも、男の格好をしてもらいたい。」
近藤いわく、
昼間から新撰組組員が女性をつれて歩いてるなんて知られたら、町の人間に示しがつかない、
ということらしい。