新撰組綺談~悠月ナ草~
夜。



「はぁぁ…なんだか幕末の時代に来ちゃったのにもうこの環境に少しなれつつある自分がコワイな」

千秋は自室の囲炉裏の近くに座り、
火鉢の上の方に手を当て、あたたまっていた。




「もし、明日起きたら元の時代に戻ってたりなんてしないよね」


火鉢の中でゆらゆらと煌(きら)めく炎。

なんだかその何者にも交わらない自然の物質の炎を見ていると、なんだか癒された。

心の中で、大丈夫、と唱え
押入れから布団を取り出して寝る準備をしようと、後ろを振り返るとなにかあたたかな壁にぶつかった。







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