新撰組綺談~悠月ナ草~
「突然どうしたんですか、沖田さん、お酒でも飲んだんですか?」
冲田からの”斬る”という言葉は聞きなれているが、”美人ですね”という言葉を聞くなんて思っていなかったので、千秋は驚いて、部屋の中央の囲炉裏であたまっている沖田の方を向いて顔をまじまじと見つめてしまう。
「何ですか、そのめいいっぱい驚きました、ってカオは」
沖田は不服そうな顔をする。
「い、いえ」
「俺は美しいと思った物には素直に美しいって言いますよ。どんだけひねくれたやつだと思ってるんですか」
沖田は面白そうに笑いながら言う。
「いえ、………ありがとうございます」
「はい」
沖田は完璧な笑顔を見せる。
(――――っ)
………いや、なんで赤面してるの、あたし!
沖田の微笑んだ顔があまりにもかっこよかったのでなんだかドキドキして頬が熱くなる。
きっと現代に沖田のような人がいたらモデルに役者に引っ張りだこなんだろうなぁ
…なんだかこれ以上はなしていたらなんだかドキドキするので、
沖田が温まっている方を背に向けて、布団にはいった。