新撰組綺談~悠月ナ草~
「死と隣り合わせ…」
現代でまともにすんでいれば、死ぬことはないだろう。
…だが、今は時代が違うんだ…
もしかしたら、沖田さんも負傷してしまうのかもしれない
「千秋、何を難しそうな顔しているんだ?」
怖い顔して考えていたことを斎藤に注意される。
「あ、いや、特になんでもないですよ!
そ、そういえば今何時ですか?」
今いる巡察の集合場、門前には沖田の姿はまだない。
「今は…朝の七時前頃だと思うが
そういえば、千秋は総司達、一番隊と巡察だったな。
頑張ってこいよ」
斎藤は千秋の頭をぽんぽんとなでた。
(なんだか、斎藤さんってお兄ちゃんみたいだなぁ)
「ほら、一番隊が、来たぞ。行ってこい。」
斎藤は武道場の方からぞろぞろと列になってくる一番隊の方を指差す。
沖田が一番前に立って歩いている。
その後ろに隊士たちが並んでいるようだ。
こう言うときに沖田が一番隊隊長なんだと、少し千秋は感じた。
斎藤に一礼をして、
千秋は、ぞろぞろと門をくぐり、京の町に巡察へいこうとする一番隊の列の一番後ろに並んで、ついていく。