新撰組綺談~悠月ナ草~
列にはいって歩き始めると、千秋のちょうど前に立っていた一人の組員が声をかけてきた。
「なんだ、お前」
「え?」
「なぜ巡察へ加わっているのか、と聞いている」
(沖田さん…組員に私が加わるの言ってくれてなかったのかよ…!)
「私は今日から一番隊の巡察に加わることとなりました桜賀千秋です」
「そんなの隊長から聞いてない。帰れ。」
「じゃあ沖田さんに聞いてくださいよ!」
千秋は声をあらげる。
その声に、組員はみけんにシワを寄せた。
「なんだ、お前」
その組員の怒気潜(ひそ)む、低い突き刺さる声で、
千秋は、言い合いながら列に続いていたが、千秋は足を止めてしまう。
うぅ…っ
沖田さんがちゃんと伝えてくれてないから!