新撰組綺談~悠月ナ草~
「え…これ、あの齊藤さんが、私に…?」
「いや、それは総司からだ」
思ってもいない、総司からの贈り物。
このかんざしは、さっき巡察に行ってた時に千秋が紫前町で”可愛い”と言い、みていたものだった。
(沖田さんはこれをくれたりした…だけど、あたしは沖田さんに対して失礼な態度をとってばかりだ)
決めた!
千秋は息を深く吸い込み、近藤と斎藤の方を向いた。
「近藤さん!!!あたし、今夜の外食で沖田さんと仲直りします!」
勢いよく言った千秋の言葉に、
近藤は目を見張り、
またも嬉しそうに微笑んだのだった。