新撰組綺談~悠月ナ草~
ガララララッ
「近藤さん…沖田さんは!?」
続いて、千秋が店から出てきた。
だが、店前にはもう近藤しかいなかった。
「あぁ…総司なら、今遊郭に行ったぞ」
「遊郭!?!?」
“遊郭”というその場所に、なぜか千秋は途方もないショックを受けていた。
(沖田さんは、女の人と遊びに遊郭に行ったのね)
美しい花魁(おいらん)とキスするかもしれない。抱き合うかもしれない。
それこそ、今夜帰ってこないかもしれない。
(自分の想像で傷付くなんて…!)
なんで、想像で泣きそうになってるの、私!
別に、沖田さんがどんな女性と抱き合っていてもいいじゃないか。
なんだか、後ろ向きな思考におちいってしまいそうだったとき、
近藤が頭をぽんぽん、となでてくれた。