歌姫の君に恋をした。
杏奈…


「初めまして、美春のマネをしています、杏奈です。
今日この場をお借りいて皆さんにお伝えしたいことがあります」

体育館はザワつきに包まれた。
うるさくて杏奈の声が聞こえない…

「私杏奈は凛蝶をしています。
凛蝶の昔の悪戯を知っていますか?
ある1人の男の子を病院送りにし、今も意識不明になっているという事を…。
それは私の一生の罪です。
償えきれない、一生背負う罪です。
でも私はその子の兄に恋をしました。
皆さんは誰のことかわかっていると思います。
汚れるとかそんな事を思っていると思います。
私に何しようがどうってこと無いです。
ただ学校慣れしてない美春の事をよろしくお願いします」


杏奈…
お前の凛蝶をやる動機を聞かせてくれ。
もう俺はあの頃の俺じゃない。
確かに引きずってるけどお前の事…。


「それでは集会を終わりにします。
みなさん各自教室に戻ってください」


俺は…杏奈を傷つけたのか…?


体育館から辛そうな顔をした杏奈が出て行く姿をただ見ることしか出来なかった。
そんな中美春さんと目があった。
美春さんは俺を睨み、杏奈の後を追っていった。


「屋上行くぞ」


そんな輝夜の言葉に優達は屋上に向かった。
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