彼女が男で彼氏が私で【完】



「お待たせ」




少しして出雲がカーテンを開けた




なんのためにその格好になったのか



どうして私の前でその格好をしているのか




それが分かるのは出雲だけ





「なに…してるの?…」



出雲は女装をやめている


素の姿で私の前に、仁王立ちしている




「飛翔を取られたくない」






ただその一言を言い放った





「出雲…」





「ねぇ…飛翔…」




名前を呼ばれた





出雲の瞳は多分私を見ているんだろうけど
どこを見ているのか良く分からなかった







< 172 / 219 >

この作品をシェア

pagetop