彼女が男で彼氏が私で【完】
「お待たせ」
少しして出雲がカーテンを開けた
なんのためにその格好になったのか
どうして私の前でその格好をしているのか
それが分かるのは出雲だけ
「なに…してるの?…」
出雲は女装をやめている
素の姿で私の前に、仁王立ちしている
「飛翔を取られたくない」
ただその一言を言い放った
「出雲…」
「ねぇ…飛翔…」
名前を呼ばれた
出雲の瞳は多分私を見ているんだろうけど
どこを見ているのか良く分からなかった