彼女が男で彼氏が私で【完】
出雲の顔を見ようと見上げると
真っ赤な顔の出雲がいた
「出雲?顔が真っ赤だよ?笑」
と私が言うと
「飛翔だって」
と言い返してくる出雲
「もう、怖くない?」
「少しだけ…」
長くは顔を観ていられない
すぐに目を逸らしてします
「飛翔」
名前を呼ばれてグイっと腕を引っ張られ
体を立ち上がらされた
ギュッ
私はいつの間にか
出雲の胸の中にいた
「少しずつ、少しずつでいいかなね」
耳元でそう、呟かれた
優しい声だった